犬と旅したくなって冬の北陸に行ってしまいました(のと里山海道を命を懸けて爆走編)

金沢市の仕事先から車に戻ってくるのが遅くなった彼氏さん。
19時に輪島市の宿に着かねばならないが間に合うのか?

Googleマップを検索すると2時間あれば着くとあったけど、
天気予報は暴風雪警報発令中。
本当にたどり着けるか、ものすごく怪しい。

こういう時に余計に強気になるのが彼氏さんの性格。
「よし行くぜ!」と躊躇なく発進しました。
どこからその自信は出てくるんでしょうか……。


私の不安をよそに、
昔は有料今は無料の「のと里山海道」を車で突き進むことになりました。


彼氏さんは仕事先で反りが合わない人間と出会ってしまったそう。
‪ハンドルを握りながらぶりぶり文句の止まらない。
「これから雪がすごいんだってよ…」
と私が不安気に言ったところで聞いてない。
暴風雪など知ったことかとさらにスピードを上げ始めました。

助手席の私は諦めの境地で、
資料を見たり海岸のほうに目をやったり。
自宅で下調べしていたスポットを窓から探しました。
特に道の駅高松
「海まで歩いていける遊歩道と、海が見えるドッグランがオススメ!」
とクチコミに書いてあったので気になってたんです。

でもこんな天気ではリリーを連れて行くのは無理だ―。
残念だー。

千里浜はずいぶん昔に従姉とドライブに来たことがあるスポット。
砂浜に車で乗り入れられる珍しい海岸で、二人できゃーきゃー騒いだなぁ。
カーステレオからはLINDBERGの曲が流れてて爽快感マシマシだった~♪

打って変わって今回は!
フロントガラスを覆い尽くすほどの吹雪。
運転にスーパー集中モードの彼氏さんに思い出話なぞ言える雰囲気じゃない。
視界がどんどん悪くなるので、
周りの車はビュンビュン飛ばして家路を急いでいました。
すぐ横の海岸線に目をやると人を喰いそうな暗い日本海(涙)
荒れに荒れて白い波に恐怖しかない~。
ハンドルを握る彼氏さんはとうとう(ಠ_ಠ)目が据わっちゃった。
とてもじゃないが車で千里浜に近寄るなんて無理でした…。

輪島市まで残り半分くらいの地点に来ると周りに車がいなくなりました。
独走態勢に入った我らが愛車。
「やべえ、道路が凍ってる」
彼氏さんが前を見据えたまま苦笑い。
凍結防止設備は里山海道にはないようで路面の雪が凍り始めていました。
スタッドレスタイヤでも容赦なくスリップ。
ノーマルタイヤだったら命を落としていたでしょうね。

気が付いたら海は後方に過ぎていて、
両側の山の木立が風で倒れてきそうな道路になっていました。
凍った白い道が延々続く。

お!前方に車が!
と思ったら道路整備の黄色い車がそろりそろりと走っていました。
「県外ナンバーがこんな夜によう走るね(-_-;)」
と呆れてたかもしれません。

予約していた輪島市のペンションハトヤは最終チェックインが19時。
間に合いそうにないので電話を入れると
「到着されるか心配しておりました。気をつけてお越しください」
と励まされた~
嫌味を言われるかと思ったのに。やさし~♡

車はのと里山空港ICを通って輪島道路に入っていきました。
悪路に集中するあまり、
後部座席のリリーのことをしばらく忘れておりましたわ。
リリーは空腹なのか腹ばいでぐったりしていました。
手に汗握る状況でもお腹はぺこぺこになるんですよね(笑)
「あと少しだ!」
「着いたらご馳走だ!」
「🦀カニ食うぞ!」
食欲だけが私たちを突き動かしていました。


輪島市に入っても吹雪は止む気配なし。
人っ子一人見当たらず、
民家がぽつぽつ建っているだけ。
街灯も暗いし寂しさが漂っていて、
これってド演歌の世界じゃね?
頭の中で『津軽海峡冬景色』がリフレインしていました。

ようやく宿に着いたのは20時少し前でした。
3時間弱の猛吹雪のドライブ。
もっと大幅に遅れるかと思いきや彼氏さん大健闘です。
素晴しかったよ‼


続く